がん治療の現場から

内視鏡による乳腺手術と
乳房同時再建術の第一人者
九州中央病院 医務局長・乳腺外科部長
カリフォルニア州立大学サンディエゴ校客員教授
北村 薫氏
乳がんは女性のがんの中で第1位を占め、23人に1人はかかる病気といわれます。しかも患者さんの多くは、がんになったことに伴う心身の苦痛に加え、治療後の胸の傷跡、手足のはれ、抗ガン剤治療中の脱毛などの悩みを抱えます。
こうした現状に対し、女医の視点からこれまでの医療が余り省みなかった課題を見直し、数々の先端医療技術を独創的に取り入れて、「根治性と整容性」を両立させるトータルケアで患者さんのQOL(生活の質)向上をめざす福岡市南区の九州中央病院 乳腺外科が、国内外から注目されています。
患者さん優先、チーム医療
医師が診察や回診に費やせる時間には限りがあるので、看護師や薬剤師、理学療法士などのコ・メディカルが脇をがっちり固めて、結果的に患者さんをぐるりと囲んで診療できるような「真のチーム医療」を目指して、スタッフ育成に努めています。
業者さんによっては患者さんの個別相談や色々なウィッグを見て実際に試着できる展示会にも応じてくれるとお聞きしています。
外来にも数社のリーフレットを置いていますので、看護師に相談してみてください。
▼ 医療用ウィッグの説明を受ける北村先生(写真提供:アーバンヘアミキ)

「鬨(かちどき)の会」を結成
一方、リンパ浮腫の社会啓発組織として、患者さんだけでなく医師、看護師、家族、議員など、すべての方を参加対象とした「鬨の会」を結成しています。
リンパ浮腫の治療に欠かせない医療用弾性着衣(サポーター)の保険適応を求める会です。「リンパ浮腫は病気」ということさえご存知でない方が多いので、まずは病名を覚えてもらうところから、治療法の啓発・普及へとつながるような活動を目指しています。事務局は九州中央病院のリンパ浮腫センターにあります。
発足以来約2年半経ち、会員は北海道から沖縄まで全国各地にいらして、すでに600人を超えており、青森、佐賀などで支部が立ち上がっています。発足当初から署名活動も行いましたが、一年で114,545人も集まり、昨年、保険適応化の要望書とともに、厚生労働省に提出しました。
※詳しくは、リンパ浮腫治療の保険適応化を実現する鬨の会(代表・北村 薫)にアクセスください。
ご多忙の中、長時間のお話ありがとうございました。
◆北村 薫氏 プロフィール
日本乳がん学会、日本内視鏡外科学会評議員。日本リンパ学会理事。87年佐賀医科大学医学部卒。92年米フィラデルフィア・ハーネマン医科大学留学、94年医学博士。九州大学第二外科講師を経て03年九州中央病院乳腺外科部長。05年同院医務局長、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校客員教授。01年第10回国際内視鏡外科学会(SLS)で最優秀賞を受賞。



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